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6月の日記

6月11日(日)成長

今一度、昔のことを思い出してみると、今の自分には覇気が減っているように感じる。
季節によるものなのか、それとも状況によるものなのかは分からないけれど、
数年前、力が足りない足りないと思いつつ心ばかりが先行していたときほど、
無茶な気合いはなくなったような気がする。
力に収まるように心が弱くなったのか、それとも力が強くなって心に追いついたのか。
それともただ単純に、大人になって落ち着いただけなのか。

年を取るにつれて自分でも気付いていないうちに処世術が身に付いたせいか、
若い頃に比べて状況が悪くなるような行動は取らなくなってきた。
前は、悪くなる状況に対して耐える必要があったためか、強い心にならざるを得なくて
「自分の何が悪いのか、どうすれば自分をよりよくしていけるのか」ということを
よく必死で考えていたのに、今はそれがなくなった。

迷いや苦しみが減ったのはいいけれど、それが何か甘いようにも感じる。
ある程度人に認められるようになって、周りの人ともそれなりに仲良くできて、
それはそれでいいのだけれど、そうじゃなかった若い頃のほうが何かと必死で考え続けていた。
胸も痛くなることが多かったし、なぜうまくいかないのか分からなくてたくさん苦しんだけれど、
今になってみると、その頃の方が頑張っていたように思える。

ひとつひとつ悪いところを直そうと、自分の行動を意識し続けて、
次第に悪い部分も見つめられるようになってきて、直せるところは直して、
直せないところはそれが自分の性格なんだと、笑い話にもできるほど深く納得して、
今は自分が好きになれるようになった。
子供の頃に比べてたくさん変わった。おそらく良い方向に。

今は、日々新しいことができるようになったり、
訓練や作業を重ねて少しずつ上手にできるようになったりして、
そういう意味での成長は感じられるけれど、
心の方はなかなか変わらなくなってきた。

前は何か心がひとつ変わるたびに、心が洗われるような気分になって
爆発的な意識の高まりを感じられたことがたくさんあったけれど、
それがなくなってからは、自分にとって悪い意味で心がどんどん落ち着いている。
必死に考えて考えて、自分の悪さや愚かさに心の底から気付いたり、
人の心のあり方について理解したりする、そうした瞬間の感動が
自分の心を大きく成長させていたと感じているのだけれど、
それがなくなってしまって、成長が止まったような気がしてならない。


もっと何かを知りたい。もっと何かを理解したい。
たくさんやって、たくさん考えて、たくさん苦労して、たくさん笑いたい。
そして、誰かにたくさん笑ってもらいたい、誰かをたくさん元気付けたい、そうできるようになりたい。
そう強く願いながら、日々一生懸命、頑張る。
今日も明日も、そしてずっとこの先も。

ただ、強くなりたいと思うのだけれど、そのためにどうすればいいかを
必死で考えようとしていない自分がいる。
「もっと心が強くなりたい」と、強く願えるようになりたい。


明日の自分が、今日の自分より強くありますように。