シルフドラグーンゼロ 開発記
  掲載日:2011年10月24日
 


以下はシルフドラグーンゼロ開発記です。
プレイにあたって大きなネタバレはありませんので、
プレイ済みの方もそうでもない方も、よろしければぜひご覧下さい。


ちなみに、シルフドラグーンゼロの開発はWOLF RPGエディターを使用しています。


【第一回】


【1】プロトタイプ

元々の第一号プロトタイプは、エストックの操作方式の機体で
広いマップの中を動き回り、敵を倒していくようなものでした。
ウディタの「sin、cos計算機能」を利用した簡単なデモとして作ったもので、
シルフドラグーンと結びつけることも、まだ頭になかった状態です。

【コメントも見たい人は、こちらのニコニコ動画版をどうぞ】



ここまで作るのに、ウディタの時計で8時間くらいです。
ですが、この形式だと、ミニゲーム規模として
作るにあたって、以下の問題が発生します。



【マップが必要になる】

マップが必要になると、それに伴って、以下の問題が発生します。

【1】チップ画像・およびマップ作成の分だけ、開発期間が延びてしまう
【2】 しかも、フリー素材にはSF系のマップチップ素材が少ないこと
【3】 移動の要素が大きくなるため、 バランス調整も大変になる


ということで、要するにミニゲーム規模としては
大きすぎるほど「時間がかかってしまう」のです。

ですが、このシステムを流用して、シル学のゲームセンターイベントを
作成することができそうだ、と思いつきました。
シルエットノートと同じく、ミニゲーム的なシューティングを
付けるつもりだったのです。

そしてこの時、ようやくシルフドラグーンを思い出しました。


「そうだ、マップを使わず固定画面方式にしてみよう!」

ということで、とりあえず「固定画面」方式に変更となりました。
開発側の制御も簡単だし、遊ぶ人も分かりやすいし、
ミニゲームという目的なら、悪くないと思いました。



【2】敵の出現方法を考える

それでは、ということで、旧シルフドラグーンと同じく、
上から敵がランダムにやってくる」スタイルで作ってみたところ、

自分「あれ……旧シルドラより面白くない。どういうことなの……」

なぜでしょう? 

以下は私の推測ですが、実は、
今回の操作方式だと、全方位に攻撃できてしまうため、
移動する意味がほとんどない」からではないでしょうか。

しかも上から敵が来るのは分かっているので、
位置取りの意味もほとんどありません。
安全な画面下で待ちかまえながら、
マウスでただ敵を撃つだけの的撃ちゲームになりました。

そこで、私は考えを変えました。

そっか、全方位ゲームだから、敵も全方位から来ないとダメなのかな

ということで、画面外の全方位から敵がやってくるようにしてみました。

すると今度は、プレイヤーの安全地帯が画面下半分ではなく、
真ん中だけ」になりました。

敵が全方位から入ってくる状態なので、位置取りは、
安全な真ん中」にほぼ完全に固定されてしてしまうのです。
移動の意味が薄くなる」という意味では、さっきよりも状況が悪化したのです!

移動の要素をゲームの中で重要な面白さに加えたいと思っている身として、
これは非常に残念な結果です。



悩みました。



そこで、出現箇所を「完全ランダム」にしてみました。

敵が画面外から来るのではなく、いきなり
画面内のランダムな場所に沸いてくる」タイプです。
最終的に採用した案ですが、実は、これが最も面白かったのです。

ポコポコと、一体ずつランダムな位置に沸いてくる敵。
「安全な場所」は次々に変化し、位置取りによっては
「複数の敵をまとめて攻撃」できたりして、
防御面でも攻撃面でも、戦術要素が生まれました。

ですが、状況によっては確実に敵の攻撃を
食らってしまうケースが発生します。
(※この時点では、一瞬で敵が沸く方式だったため)
ですが、そんな理不尽さを残しながらも、思いついた中では
一番面白かったのです。

これは、開発中によくある「制作者だから覚悟ができていて楽しめる」、
という類のものなのかもしれない、とは思いつつ、これをベースに、
より多くの人が楽しめるように面白くしたいと思いました。


そこで、「敵が瞬時に現れて攻撃を受ける理不尽さ」の問題に対し、
私は次の案を考えました。

・出現してからしばらくは敵が攻撃してこないようにする

……で、やってみましたが、なんと、イマイチでした。

何が起きたかというと、
ランダムに出てくる、しばらく攻撃してこない敵を一体ずつ破壊するだけ」で、
なんだかもぐら叩きみたいで、非常に安っぽい感じもします。

で、上記のような感想を抱きながら色々考えた結果、
最終的に以下のようになりました。


【1】 レベルが切り替わるごとに、【敵編隊が一斉に出現する】タイプになった。

【2】 【敵出現位置はマークだけで予告】する。何が出てくるかはお楽しみ。



これなら、もぐら叩きゲームにはなりませんし、
敵の出現に備えることもできます。複数の敵と戦うことで、
戦術を活用する余地も生まれるでしょう。

出現方法に関しては、「これしかない!」というものができた感触です。
たったこれだけの出現方法を見出すのに、ずいぶんたくさんの試作を作りました。



【3】プロトタイプをテストしてもらう

P氏(仮称)にテストしてもらったところ、
全体的によしとするも、以下の指摘をいただきました。


「操作しにくいです。普通に上下左右に動きたい」


そう、「特定の角度に向かってまっすぐ進める」特徴があるエストック操作は、
広いマップでは有利に働きますが、1画面では利点がありません。
かえって操作の難しさを上げるだけになっていました。

しかし、せっかく作ったし、好みな操作方法だったしで、
エストック操作を残しておきたかった私は、操作方法を変えるのでなく、
操作方法の違う別の機体を作る」ことで
対応することを考えました。

そうして作成した機体が「ギガント」と「ラプター」です。
最初は「エストック」一機しか選べないゲームだったんですね。

ノーマル操作のギガント・ラプター、そして
変則操作のエストックの三種類で行こう! 
と決まったのは、この段階のことでした。

エストック操作のみでリリースされていたら、それはもう
とっつきにくいゲームとなっていたことでしょう。
これも、プロトタイプをテストしてもらったおかげです。




さあ、まだまだ、「武装」に「敵キャラの案」にと、
考えることはたくさん残っています。
また、「ランダム出現システムでなるべく面白くする方法」も
考えなければなりません。 

課題は山積みでした――。


【第二回】


シルフドラグーンゼロ開発記、第二回目は、武装とシールドについてです。

敵キャラの出現方法やらキャラクターや物語の話やら、考えることは
山ほどありますが、まずはゲームの基礎を面白くするところからです。

まずは、シルフドラグーンゼロの目玉要素である、武器選択から。



【武装を考える・アイデア編】

機体が決まったら、次は選べる武装を考えたくなります。

最初は多くの武装から選べるようにしようかなと考えていましたが、
「能力のチューン要素」を加えると、「連射力」や「攻撃力」の多少の差では、
武器の個性を表すことができなくなります。

なので、「攻撃方法そのものが大きく異なる武器」を、
いくらか用意できたらいいかなと思いました。
そこで、この段階で以下の5種類を想定しました。

【1】 初心者でも扱いやすいマシンガンタイプ → 拡散砲
【2】初心者でも扱いやすい範囲攻撃武器タイプ → 熱核砲
【3】 玄人向けの狙い撃ちタイプ      → 狙撃砲
【4】 好きな人向けの特殊な武器      → レーザー
【5】STGといえば格闘武器がないと! → エネルギークロー



各武器の、当面のイメージは次の通りです。

<拡散砲>
とりあえずこれ一本あれば問題ない武器にしようと思いました。
武装を変えるのがよく分からない人、狙うのが苦手な人、
そういった人たちは、たぶんこの武器を使うだろうと考えたからです。

<熱核砲>
連射できない範囲攻撃。ザコは一撃で倒せるくらいにします。
「重い」感覚があり、個人的にはあまり使われない気もしたので、
攻撃力を高めに、最終的な攻撃範囲も広めに取ります。
そしたら結局、割と人気武器になってしまいましたね。

<狙撃砲>
当てにくい武器なので、単体攻撃力は最大にしましょう。
しょっぱなから使うとその難しさに投げるかもしれないので、
お金を払ってアンロックするタイプにしておきます。
全弾当てればどの武器よりも早く要塞タイプを倒せる、くらいにします。

<レーザー>
ロマン武器にします。威力は弱めですが、かっこよくします。
でも「使いこなせば拡散砲より強くなる」くらいなら、
マニアな人や、ハードモードで活きるかもしれません。

<エネルギークロー>
やっぱりシューティングゲームといえば格闘武器ですよね! 
という立ち位置な私としては、入れざるを得ません。
威力は高いけど、使用時のリスクも高くします(シールドが一瞬大きく減る)。
レーザーのような攻撃力の低いメインウェポン一本だけだと、
苦労すると思うので、これはサブ枠に入れるのが正解そうです。




【武装を考える・具体編】

武装のだいたいの威力や、細かい内部処理を考えます。

どのみち、実際プレイしてみればパラメータは変わっていきますが、
おおざっぱなイメージと立ち位置くらいは明確にせねばなりません。

武器のパラメータを設定するにあたって最も注目するのは、
「単位時間あたりのダメージの大きさ」です。

要するに「1秒間で敵に与えられる平均ダメージ効率」でして、この大小を
先に決めて、攻撃力や連射力・使い勝手などの要素に切り分けていきます。


【1】敵1体に対して、全弾当てたときのダメージ効率は以下のようにします。
狙撃砲 > 拡散砲 > 熱核砲 > レーザー

【2】対複数の敵に攻撃したときのダメージ効率は、以下のようにします。
熱核砲(3体想定)> レーザー(2体想定)> 狙撃砲 > 拡散砲

【3】ついでに「命中させやすさ・取り回しの良さ」は、以下のようにします。
レーザー > 拡散砲 > 熱核砲 > 狙撃砲


こうして順序付ければ、だいたい各武器の価値が
等価になるのではないかな、と考えました。

さて、次は武器の処理方法を考える必要があります。


<拡散砲>
これについては、プロトタイプ段階で、すでに弾の連射処理を作ってあるので、
あとはチューン内容を反映するようにすればすぐ完成です。


<熱核砲>
「敵に当たるか、弾の射程に到達したら、爆発して範囲攻撃を行う処理」を
作る必要があります。ほかの武器より特殊なので、少し苦戦しましたが、
結局は「巨大な当たり判定の弾を一瞬出す」ことで爆発を表現しました。


<狙撃砲>
これも基本的な弾の処理でおおむね問題ありませんが、
貫通する処理」を表現するために、ちょっとだけ工夫が加えられています。

旧シルフドラグーンのカノンもそうでしたが、弱い敵を貫通する演出は、
攻撃力半分の弾を2つ重ねて発射」することで表現しています。
すると、敵にヒットすれば「片方の弾と敵が消滅」し、もう片方の弾が
そのまま進むので、一見、敵を貫いているような演出に見えるのです。
(もし敵のHPが高ければ、弾は2つともヒットして消える)
この手法は、お手軽で便利ですよ。


<レーザー>
当たり判定を作るのが、一番難しかった処理です。
敵への命中判定は、どんな処理で作られていると思いますか?
線と敵の交差を計算する? いいえ、そんな高度なことはしていません。

レーザーの見た目はですが、内部的には
「一瞬で消える●型の弾」を、じゅず繋ぎにして並べているんです。
それを思いつくまでが、少し長かったです。お風呂でおもいつきました、エウレカ!

【レーザー当たり判定 参考画像】


すなおに「線」と「敵」の交差を計算するのも手ですが、
弾の処理は、他で使ってるものをなるべく流用したほうが、
シンプルに作れて、かつ、バグも出にくくなりますからね。


<エネルギークロー>
これも割と作るのに苦労しましたが、
結局、処理的には「敵に当たっても消えない」弾が
自機の左右から前方に向かって出て、しばらく残る、というだけの攻撃です。
個人的に、一番かっこいい武器になるようにデザインしました。



<弾を表すための内部情報>
なお、一つ一つの弾を表すために使用する情報は、主に以下の6つです。

◆現在の弾の位置
◆弾の移動速度
◆弾の攻撃力
◆弾が消えるまでの残り寿命
◆弾の攻撃範囲の大きさ
 

→ 熱核砲の爆発は、すごい大きさの弾が一瞬出てるだけです!

◆この弾は当たっても消えない?
→ 熱核砲の爆発やレーザー、エネルギークローなど、
  「一つの弾で、複数の敵に当たる」場合や、
  クローのように敵に当たっても消えない場合はオンです。


他にも、敵専用パラメータとして「シールド値をどれだけ削るか」
「ホーミング能力のオンオフ」などもありますが、
基本的には、上記の情報だけで、敵味方すべての弾が
処理されていると思います。

こうやって表される弾だけで、どうやってレーザーの当たり判定を
表現できるんだよ! と思っていたがゆえに、
貫通レーザーを作るところで苦戦していたんですね。



【シールドの実装】

※シールドエンハンサーという武装がありますが、ここで言っているのは
それではなく、基本装備として付いているシールドのことです。


このゲームでは、「シールド値が高いときは、攻撃受けてもライフに
ほとんど影響がなくて、シールド値が減るとダメージを受け始める」

という方式にすることにします。

シールドが自動で回復するようにすれば、ミスの「回数」でなく、
ミスの「度合い」に応じてHPを削ることができるため、
アナログな評価ができていいと思っていたので、最初の頃から実装する気でした。
他の人にプレイしてもらったプロトタイプの段階で、すでに入っています。

これは、一般的なFPS(一人称視点シューティング)の
「防弾チョッキ」に代表されるシールドシステムを参考にしています。
シールドという表現なら、最近ではHALOシリーズや
アーマードコア4などの方がイメージに近いかもしれません。

このゲームは、敵がランダムな位置に登場する都合上、
突発的なダメージがさけられない場合があります。
このシールドは、その理不尽さを抑えると共に、操作が分からない
序盤で、死なないようにするためのシステムでもあります。
(連射力の低い敵一体なら、放置しててもやられることがない!)

シールドがかなり強力なので、シルドラゼロにおける
HPは、実際のところあまり大きな意味がありません。
HPが100以下になっても、慎重に戦えば長く戦えるからです。
その状態でも、小さいミスなら10回分くらい耐えるのです。

個人的にこのゲームのHPとは、集中力を喚起するための数値だと
とらえています。残りHP2桁でステージをクリアしたという人も
実際、少なくないと思いますが、それはHPが2桁になってから、
集中力と慎重さが極限まで上がったからだと思いますよ!



【ボツになった武器】

実は、ボツになった武器があります。それは「機雷」です。

「設置すると、一定時間後に爆発して周囲の敵に大きめのダメージを与える」
という武器だったのですが、実はこれ、要素だけ見ると
「当てるまでに時間がかかる」「範囲攻撃」という2点が、
まったく熱核砲と同じで、使用感もおおよそ一緒だったんですね。

リミットブレイカーと、機雷と、どちらを入れようか
迷っていたのですが、結局、コンボを無限に続けられるチャンスを残す意味で、
リミットブレイカーを残すことに決まりました。

でも今になって思うと、機雷の範囲を狭くして、威力を極端に上げれば、
もう少し個性化ができたのかもしれません。
ただ、対要塞にしか、使えないかもしれませんけれどね。
(普通の敵は基本的に自機との距離を取ってくるので、近付いて来ない)



というところで、第二回、武器編は以上です。

他にもまだまだ、
「敵キャラの案」に「ランダム出現システムでなるべく面白くする方法」、
「キャラクター」「物語」など、たくさん考えることがありました――。

(次回へ続く)


【第三回】


今回は、キャラクター・敵・物語の演出の3本柱でお送りします。



【キャラクター絵の依頼】

この辺りで、キャラクターグラフィックを、
モノリスフィアのキャラ着色・シルフェイド学院物語育成画像で
お世話になっている、透子さんという方に依頼しました。

私が描いた以下のようなラフから、グラフィックをおこしてもらっています。







全体的に予想以上の出来にしてくださって、とても感謝しています。
特に艦長が非常にかっこよくなってて嬉しかったのを覚えています。

(実は、できれば艦長ハードコア版に胸毛をつけてもらおうと思ってたのですが、
合わなさそうなのでお流れになりました、ちょっぴり残念)



【「すばらしいデータ」について】

このネタだけ、開発する半年くらい前から、知り合いに
「いつかこんなトラップ入れたいなあ」って話していました。

が、さすがにアレを絵師さんに頼むときは、微妙に迷ってたんですよ!
無理なお願いを聞いてくださってありがとうございました。
(と同時に申し訳ありませんでした……)

ネタバレはしませんが、元ネタとしては、
<日本に、セクシーギャルが描かれた「脇見厳禁!」の看板がある>
という笑い話を見て思いつきました。とだけ。



【敵の種類について考える】

敵の種類について考えます。
この段階では、まだ「砲台タイプ」と「飛行タイプ」の
挙動を行う敵しかいませんでした。

とりあえず、「よく撃ってくる敵」と、「よく動く敵」はあるので、
ここからバリエーションを増やしていきたいと思います。


結局思いついたのは、以下のパターンでした。


補助タイプ「プローブ型」 他の敵の攻撃力を上げる、ほぼ動かず
 → 単体で出てくればザコなので、慣れる相手としては最適

小ボス的1「中型砲台タイプ」
 → 普段もろい敵が多いので、アクセントとして、
   硬くて大きめの敵が欲しかった

ボス的2「機動力+高火力タイプ」
 → これは本当にボス用。ジャガーノートのことです。

大ボス的「要塞タイプ」
 → 元ネタは旧シルフドラグーンから。単体なら対したこと
   ないけれど、小型機体と一緒に出てくると強いような感じで。

超小型タイプ「遠隔砲台タイプ(ファンネル?)」
 → 本当はラスボスが射出してくる武器だった

同型機での戦いは燃えるのでぜひ「ドラグーンタイプ」
 → 燃える展開ならやっぱりこれに限ります

本当はこれに加えて「ラスボスタイプ」があったのですが、
作成する時間的都合といい案が思いつかなかったのとで、ボツになっています。

ラスボスは、「ファンネルタイプの敵を吐き出してくる敵」
という感じのを考えていましたが、それじゃあ
戦うのがうざったいだけで、あまり燃えませんしね。

ストーリー的には、何でも量産できてしまう「敵」が、
わざわざ最後に一体だけ特別な機体を出してくるなんて
ありえないだろうなあ、という感覚もあったので、
ラストはアレで押し通すことにしました。

「えーラスボスいないのー?」というご意見が殺到しないか、内心、
ヒヤヒヤものでしたが、バッドエンド時の難易度がすさまじいせいか、
結局、そういうご意見は、頂かなかった気がします。



【敵の挙動について考える】

敵の挙動のおおざっぱな目標としては、
・微妙に生きているような動きをする敵を作りたい、
・なるべく共通の処理で動くようにしたい      .

と考えていました。

で、ここから先は感覚の勝負でした。
「こういう仕様にしたら、きっとこうなるだろうな」
という予想を立てて、作っていったわけではありません。
STGの敵キャラ作成なんて初めての仕事ですから、
自分の感性に任せて進めるしかないと思っていました。

いじっては見て、いじっては見て、少しずつ改良の繰り返しです。

ひとまず、基本的な敵の挙動として、以下のパターンを作りました。

・基本的に、プレイヤーから一定距離を保つように動く
→ 一部の敵は一直線に特攻してきますが、
基本的には距離をあけるように動きます。

・下2桁のレベルが75以上になると消える敵が出てくる
→ ただし、一部の敵はステルスになりません。
下二桁が75〜99のレベルは、エキストラステージと考えています。


※ステルスに関しては、たまたま開発途中に、敵のグラフィックが
出ないバグが出たのがきっかけでした。

あとは、

・左右にスライド移動する
・一定間隔で弾を発射する
・攻撃を受けたら左右スライド移動方向を反転する
・ときどきランダム方向に超加速する


というオプションを付けたり付けなかったりして、調整することにしています。
「それっぽい動きになったらOK」、という感覚で作っていました。



【敵出現のランダム性について考える】

敵の出現設定は、1〜1000レベル分までの内容を、

・固定の敵集団を出現させるレベル
・ランダムで敵を出現させるレベル


の2つのモードで設定しています。
前者は、ボス戦や、あえて敵を多くしたいシーンで、
後者は、それ以外全部のシーンで使っています。

ほとんどはランダム出現モードで設定したので、
実際は、いちいち1000個分設定したわけではありません。
これはもちろん、楽するためですね。


ランダム敵出現モードは、「適当な最大出現数」+「各タイプの出現率」の
2つを設定することで、テキトーに敵編成を作ってくれる方式です。
この辺は、特に目新しいことはないと思います。


ですが、問題は敵の「出現率」を設定するときのコツ!
実際に作っていった中で感じたことなんですが、一つのコツとして、
敵がABCDEの5種類いた場合、「A〜Eを同時に出す」のではなくて、
出すのは「AとBだけ」、「CとDだけ」、のように、
種類を限定する
方が、ステージとしての味を出しやすく、
まんべんなく出すよりも、全体的に飽きにくくなるように感じました。

いつも炎・氷・雷属性のモンスターがでるダンジョンより、
炎の迷宮で炎属性モンスターしか出ない方が、かえって
面白くなったりすることもあると思うんですが、そんな感じかもしれません。


また、敵編隊の最低出現数を「2体」以上にしたかったところも、
ぐっとこらえて「1体」にしました。

たまには敵が一体しか出てこなくて、スカッと
通過できることがあった方が気持ちいいと思ったからです。

※ハードでは敵の出現数が増えるので、1体出現はありません。



【物語を演出する】

物語のパーツは、いつか作ろうと思ってたSF用ネタ集として
すでにストックがあったので、ネタ出しそのものはあまり困りませんでした。

でも、最近読んだSF小説にモロに影響されてるところが多々あります。
MIDASナノマシンの特性なんかは、野尻氏による「太陽の簒奪者」を
直前に読んでいたことが大きく影響しています。とても面白い一冊ですよ!
(また、遊んだことはないですが、R−TYPEシリーズの
「バイド」を連想させるというご意見が多かったです)



さて、いちおうシューティングゲームなので、物語は、
テンポを崩さないで演出したいと考えていました。

シューティング中のストーリー演出に対して、プレイする人がどう思うのか、
以下の3タイプのプレイヤーさんを想定してみました。

1.「ストーリーを求めている人」
→ 長いストーリーパートが挟まれていても、喜んで見たいという人。
  また、「ないよりは、あった方がいい」という人も多いかも?

2.「二周目以降で、既知の部分は読まなくていい人」
→ 二周目以降で、邪魔にならない方式を考える必要があります。
  例えば、「スキップできる」など。でも選択や行動による
  メッセージの変化がもしあるなら、それを見たいと思う人達です。

3.「そもそもストーリーを求めていない人」
→ 「シューティング」と聞いて新たに遊んでくださっている方には、
 「長ったらしいストーリー部はいらない」という方も多そうだと予想します。
  ストーリー部分で、余計な時間を取らせない仕様、および、ストーリーを
  完全に無視しても不都合が生じない構成にする必要があります。


これらの各プレイヤーさんに、一同に対応できそうな案として考えたのが、
ステージ中に(戦闘しながら)メッセージが表示される」システムです。


ですが、そのメッセージを読めるであろう対象は、
戦闘中に右画面の内容を確認できるくらい、プレイに慣れた人」だけです。
これはもともと、そういうデザインとして作っています。
もちろん必ず読んで欲しい部分は、戦闘を中断してメッセージ表示します。

また、戦闘しながら会話を読むというシビアな情報提供方式は、
プレイに慣れた人を、退屈させないため」でもあります。
敵を倒すことに慣れた人」向けの、さらなる高難易度プレイこそ、
つまるところ「メッセージを読むこと」なのです。

――というのは後付けで、もし最初から、質の高い声優さん
確保できることが約束されてるなら、本当はボイス有りで
作った方がいいんだろうなあ、と思ってたんですよ……。

何はともあれ、声優さん方面のコネも、情報収集の時間もあまりないため、
声入りの方向性だとリスクが高くなると考え、今回は避けることにしました。


で、プレイヤーさんは、最初は敵を倒すことだけに手いっぱいだろうと
私は考えていて、たとえばミッション3なら、多くのプレイヤーさんは、
選択肢を選ぶ暇がないだろうなあ、と想定しています。

私は、ミッション5〜6あたりで、ようやくプレイヤーさんが
メッセージ画面を読むことに慣れ始めるであろうと推測しました。

だからミッション6に、例の「素晴らしいデータ」を入れたんですね。
物語的に「お遊び」がゆるされる最後のタイミングだから、というのも、
一つの理由ですけれど、何より、気付かれなければ
やっても意味がない類のネタでしたから。



……しかし、リアルタイムにメッセージが表示されたり、選択肢を
選べたりするシステムは、技術的な問題として、入力や動作が
複雑になりやすく、多くのバグが潜在してしまいました。

結局、今も直せていないバグが、いくつか残っていたりしますが、
それでも、最終的にこういうタイプにしたことで、
いい方向に転んだんじゃないかな、と思っています。



少し話が脱線しますが、自動車学校に行ってるとき、最初はサイドミラーを
見る暇がなくてオタオタしてたのですが、慣れるとちょくちょく確認することが
できるようになりました。 今思えば、このシステムは、そのときの気持ちを
皆にも味わって欲しいという気持ちがにじみ出てるような気もします。

逆に、上記のような体験をしたおかげで、
「戦闘に忙しくてもメッセージを確認することはできる」

という確信を持った、と言えるかもしれません。
いやまあ、どうしてもダメな人はダメかもしれませんので、
その場合は二周目フルチューンで挑んでくださったりしてみてください。



さて、ここまでで、システムやストーリー、
ステージが一通り完成しました。ひとまずの、完成品です。

いよいよ、次から最も重要な「調整」が始まります。

(次回へ続く)


【第四回】


この第四回でようやく完結です。今回は「クリア評価 〜 テスト 〜 公開」まで!



【クリア評価編】

やっぱりこのサイト(というか私)のゲームの特徴といえば、クリア後の評価です。
何を評価しようか迷いましたが、最終的にスコアなどの基本的な要素や、
使った武器、機体などという感じになりました。

「クリア評価」は、結局のところは、計測データ別にキャラクターの
コメントを書くだけの、割と物量の勝負なんですが、
実際にキャラクターたちに評価されるというのはやっぱり楽しいと思うので、
他の方々のゲームにも、もっと普及して欲しいなと思っている要素です。

一般的な評価システムでは、ランクを表示するだけのものが多いと思うのですが、
それにキャラクターの一言が入るだけでも、だいぶ暖かみが出る気がしています。

ちなみにスコア評価は、たしかSSSSSSランクまであったと思います。
よかったら、ぜひそこを目指してみて下さい!



【調整 個人プレイ編】

さて、ストーリーもシステムも完成し、ゲームとしては一通り完成しました。

が、実際に通しでやってみると、何だかつまらないゲームでした。

なにがつまらないの? と言われても、分かりません。
考えつく部分に関しては徹底的に仕上げたつもりなので、
出来は、一見そこそこいいように見えます。
でもなぜか、あまり長く続けたいと思えません。なぜでしょう。

その要因は、いくつかありました。
色々いじってみて、ようやくこれらが原因だと気づいただけで、
最初はそのままリリースしてしまおうと考えていたほど、
なにも問題がないように感じられたのです。

きっと他にも、直し所がいくつか残っていたかもしれません。
以下は、たまたま私が気づき、対応した内容です。



<問題1 敵出現までの時間>

当初、「次の敵の出現マークが出てから、実際に出現するまでの待ち時間」を
「プレイヤーが敵配置をみて有利な場所に移動できるまでの時間」
と設定していました。ラプターならそういったことができる、
というくらいの待ち時間にしていたつもりだったのです。
ですが、それは安全である代わりに、微妙に 間延び感 がありました。

試しに敵の出現までの時間を1/2にしたところ、だいぶテンポが良くなりました。
ただし、敵の出現マークが出てから、有利な場所に移動するための時間は
なくなってしまいました。これでは、理不尽なダメージを受ける可能性が出ます。

でも実際やってみると、位置取りは、敵が出現した後でも
構わないことが分かりました。「敵が出るまでの時間が遅い」ことの方が、
よほど退屈さを増す要因につながっていたのです。

ちなみにここで言っている有利な位置取りとは、
複数の敵を同一射線上におさめられる、敵に包囲されていない
位置に移動することです。
特に前者については、狙撃砲で複数の敵を倒せるのもそうですが、
拡散砲でも無駄玉を出さずに敵を素早く倒せて、いいんですよ。

結果、たった一つの数字がちょっと変わっただけで、大きく印象が変わりました。
これがあるから、調整というのはつくづく恐ろしいと思います。



<問題2 敵の耐久力>

皆さんはテスト時点のパラメータをご存じないので、
元が分からないと思いますが、個人でテストプレイしていた中の
最終調整段階で、最終的にザコ敵の耐久力を全部「1/2」にしました。

それほど、初期の敵は堅かったのです。
結構作りなれているつもりでも、初期のパラメータ設定というのは
無駄に敵が強いということになりがちな印象があります。



<問題3 強力なはずの武器が強力じゃない>

狙撃砲は当初「全弾当てれば、時間あたりの攻撃力がぎりぎり一等賞になる」
くらいの威力しかありませんでした。時間あたりの威力は、
最大強化拡散砲の1.5倍くらいだった気がします。

実際やってみると弱いと思ったので修正し、正式公開時は、
「最大強化状態で全弾当てれば拡散砲の2倍近くの威力がある」
くらいまで攻撃力が引き上げられたと思います。
これにより、ほとんどのザコ敵を一撃で落とせるようになりましたが、
元の狙撃砲は、そうじゃなかったんですね。

おいおいほとんど一発じゃん、これ強すぎだろう、と思いましたが、
気持ちいいので、そのままにしておきました。

が! それでも正式公開後、あまり使われなかったようなので、
結局、正式公開後に、さらに攻撃力を引き上げることになりました。
今は強化最強状態で比較すると、拡散砲の2.4倍の威力です。

狙いを定める必要がある一撃必殺系武器は、
同じ時間あたり2倍超のダメージを与えられないと、
あまり利用されないんだなあ、ということを学びました。



逆に、単位時間の攻撃力が微妙な熱核砲は、ずいぶん人気でした。
狙いの緻密さがさほど要求されないという要素が、人気の秘訣かも?
敵を3体以上巻き込めば、数値上は最強の威力になりますしね。

ちなみに、敵一体に攻撃を当て続けたときの威力効率は、
現在、以下のようになっています。

「最新版で強化最大にしたときの、敵一体への10秒あたりのダメージ一覧」
拡散砲 46x300=13800
熱核砲 770x15=11550
狙撃砲 990x33=32670
レーザー 27x300=8100


当てにくい武器は、作者から見て、本当に強すぎるくらいの威力で
ちょうどいいのかもしれません。



【他人にテストプレイしてもらった中で磨かれたもの】

さて、自分のテストプレイは終わったので、
ようやく他人にテストプレイしてもらう段階です。
主なテストプレイは、動画配信しながら遊んでもらいました。
一挙一動、プレイの流れを把握するのに、これほど便利なものもないと思います。

この段階では、そうしてテストプレイしてもらった中で明らかになった、
割と小さな問題(でも重要なこと)の修正だけ行っています。


【1】クロー連射しまくってシールドがなくなることに気付かず
なぜ死んだか分からないという状況が発生したため、
シールドが減ると警告音が出るようにした。


→ これでだいぶ難易度が下がった感じがあります。逆に言うと、
気付かないことで死亡する理不尽さが残っていた、とも言えます。
この修正を行うと同時に、一部のコンシューマゲームでも、
「この状態になったら警告音付けてよ!」って思える部分が、
案外たくさんあるんじゃないか、ということに気付かされました。



【2】エストックを選んだとき、操作が変わったことに
 気づいてもらえなかったので、選択時に警告を出すようにした


→ 「あれ、なんか操作しにくいなあ」で、そのままプレイしてた
テストプレイヤーさんはやり手だと思いました。



【3】ギガントで移動力1になったのに気付かず、
動けなくなったように見えて困ったので、セットアップ画面で
数値が一定以下になったら赤くするようにした。


→ これと同時に、移動力が1にならないよう、
ギガントの移動力を少し引き上げたかもしれません。




【そして公開へ……】



さあ、いよいよ4/1、一般公開です! 当日は重すぎて、ウチのサーバに
まともに繋がりませんでした。結局、公開後の流れは、以下の通りです。

・ラプターが一番人気 → ギガント遅すぎて後半使えませんでした。

・熱核砲がけっこう人気だった → 当てやすいから?

・スラスターによる撃破が大変だったので、リミットブレイカーを
スラスター(お尻の火)にも効くよう修正!!

→ 果たしてハードコアをスラスターだけでクリアする猛者は現れるのか!?

・不人気だった狙撃砲を強化!

・レビューサイトで色々ネタバレ丸だしだった!


という感じでした。アンケートも付けようかなと思ったのですが、
何を聞こうか思いつかなかったので、付けなかったのが悔やまれます。
年齢性別の任意アンケートだけでも今のユーザ層がわかったのに!

あと↓みたいな質問とか。

Q.「すばらしいデータの表示中、一度でも撃破されましたか?」
→ 1.YES 2.NO 3.見返すために何度も死んだ


ちなみにその後、ギガントとエストックを大幅に強化して、
ラプターと釣り合うように調整してみました。
今ならギガントで最終面付近をプレイしても、普通にクリアできますよ!



【言語の壁】

リリース後、国を越えた、少し面白いことが起きました。

「シューティングゲームというジャンルであること」、
「いくつかの武器に漢字の名前を付けたこと」、
「脇に漢字多めの説明文の表示をつけたこと」
が、
よい方向に働いたと思われる出来事があったのです。

というのも、これまでのゲームと違い、中国・台湾のサイトで、
シルフドラグーンゼロがよく取り上げられた気がするのです。

向こうの人は漢字しか読めないはずですが、
偶然にも、メインウェポンや説明文の漢字だけを追っていくだけで、
もしかしたらおおよその意味がつかめる内容になっていたのかもしれません。

最も強固な装甲を持つ、移動速度は最も遅い
 → 最強固装甲 移動速度最遅

移動速度が最も高い、装甲が薄い
 → 移動速度最高 装甲薄

幻想譚の技の名前もそうですが、漢字を多めにしたことで
台湾あたりの、日本語がちょっと分かる方々にも
遊んでもらえる機会が増えている可能性もあるのかな、と感じました。

個人的にはひらがな多めで、日本の人が読みやすくするのが信条ですけれど、
それはルビを使用することで両立できるかもしれません。
シルフドラグーンゼロは文字数制限がギチギチだったので
遠慮なく漢字を使わせていただきましたが、それが逆によかったかもしれません。

また武器も、文字だけでなくイメージアイコンも付けていたなど、
そういった細かな表現部分も、意外に、言葉が違う人々の
プレイの助けになっているような気がします。

もちろん、ジャンル的な問題もあります!
シューティングなら、言葉が分からなくても敵を倒せばいいだけですからね。

あと一言! 海外のPCで日本語のゲームを遊ぶ場合、フォントの都合で、
特別なソフトをインストールして準備しないと遊べないそうです。
なのでたぶん、あちらのフリーゲーム層はコアな方々ですよ。

(ツクールのRTP並みに一般的で、強制的に必要なら別だと思いますけど、
フォント問題は、ソフトを入れなくても一見起動してしまうことなので、
一見さんはまともに遊べないことだけ確認して諦めてしまいそうです)

まとめると、この件に関して思った事は、以下の通りです。

・武器(技)名や説明文に漢字が多いと中国や台湾の人が遊びやすい。
でも一方、日本の人は読むときのテンポがちょっと悪くなるかも。

・アイコンなどで武器(技)のイメージを伝えると、世界中の人が遊びやすい

・ルールが分かりやすいゲームは世界中の人が遊びやすい。
RPGやステルスミッション有りのACTだと、言葉が読めないとクリア不能に
なる恐れがありますが、このゲームではその心配がありません。





おまけ プレイヤーさんに苦労してほしかったけど我慢したところ】

「攻撃力の高いエネルギークロー」+「射撃メインウェポン」の組み合わせだと、
あまりに隙がなさすぎる気がしたので、エネルギークローを
メインウェポン側に含めてしまおうかと考えていた。

でも、実際に遊んでみると、エネルギークローが案外リスキーな武器だったので、
これは問題ないとして、サブウェポン枠でやっぱりいいやと思い直しました。

ええ、もう少しでクローが超マニア武器になるところでした。危なかったです。

こんなギリギリの判断の境界をたくさん越えて、ゲームは生まれています。
一個ミスっただけで全部ダメになる判断もあるので、慎重さも問われます。



【今後の展望】

さて、ここは皆さんあまり興味がない話かもしれませんが、このゲームは、
将来的に英語版を作る予定です。 というか、実はシステム部分に関しては、
内部的に英語版の画像がすでに入っていたりします。



この英語版に続いて、(作るなら)モノリスフィア2あたりを、
海外のお商売進出の足がかりにしてみようかどうしようか、なんて考えています。
もっとも、今のところ具体的な話は、何も決まっていませんけれどね!



以上で、シルフドラグーンゼロ、開発記は終了です。
ここまで長らく読んでくださって、本当にありがとうございました!